国分寺 精神科 心療内科 大学通り武蔵野催眠クリニック メンタルクリニック

2017年7月29日から30日にかけ、四国の松山で行われていた第27回日本ブリーフサイコセラピー学会に参加してまいりました。ブリーフサイコセラピーというのは耳慣れない言葉かもしれませんね。実は、もともと1950年代から催眠療法家のミルトン・エリクソンとコミュニケーションの研究家であったグレゴリー・ベイトソンらの先進的な試みに端を発した心理療法の流れの一つです。ブリーフ（サイコ）セラピーを定義することは難しく、その中にもいろいろなアプローチがあるのですが、治療効果が高く、必要最低限の短期間の治療で済ませられるならそれが良いとの前提のもとに、治療者は傾聴にとどまらずに積極的に介入の方法を考えたり、患者様のおかれている環境、状況を把握してできることを考えたり、患者様の抱えている問題よりも解決の方法に焦点を当てたりする、などの特徴があります。この学会はその流派や技法にこだわることなく、患者様に貢献できるスキルならなんでも取り入れようというおおらかさがあり、すでにエリクソンやベイトソンの流れという枠からはみ出ていて、ある意味型がない柔軟性、魅力にあふれています。

本当にいろいろなアプローチ、立ち位置の先生方が集まっておられましたが、私は催眠や条件反射制御法に関する発表、シンポジウムに入り浸ってました。学会に参加すると、自身のしていなかった工夫の仕方もあると気付かされたり、難しい状況の患者様に対して真摯に対応しておられる先生方のご苦労を知って、自身の気持ちを引き締めなおしたりする良い機会が得られます。また今日から気持ちを新たに、日々の診療の中で皆様に何かお返ししていければ良いなと思っています。