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愛称「しりぽっけ」について
クリニック名が長いので、「何か親しんでいただける愛称はないものか?」と思い、患者様にとって安全で信頼できる場所をうまく表現できる名前を考えた末にめぐりあったのが、「しりぽっけ」という言葉です。「しりぽっけ」というのは、アイヌ語で「小春日和のような暖かい天気」のことをいいます。北海道の出身でもない私がどうして「しりぽっけ」か?ともうしますと・・・・
その年は自身や家族にとって節目にあたり、仕事の間を縫って早春の北海道を旅行することとなりました。例年になく暖かかったものの北海道はまだ寒く、地には雪が厚く残っていました。そんな北の大地で私どもを迎えてくれたのが、エゾリスやエゾシカ、そしてエゾタヌキたちです。彼らは非常に人なつこかったり、あるいは警戒していたりでしたが、共通して感じられたのは「厳寒を乗り越えてきた生命力」です。
さかのぼれば自身もこの強い動物たちと共通の血にたどりつくとの思いは、その後くり返し私を勇気づけてくれています。最愛の湖の湖畔には天然の露天風呂があり、湖水がたえず出入りして熱すぎもなく寒くもないお湯を闇夜の中で味わうことができましたが、そこにはタヌキの先客がおり、その後タヌキは湯から出たり入ったりして、かれこれ3時間くらい同じ湯に浸かっていたことになります。
最愛の湖でタヌキとともにあり、タヌキが時にピチャピチャと立てる水音に耳をすまし、その姿を見つめながら、タヌキと私をひとつのものとして暖かく迎えてくれる湖の恵みに、言葉にならぬ感動を受けました。母なる自然にくらべれば人は微力ですが、ささやかながら「しりぽっけ」をお届けできれば、とのぞむ次第です。