第9回北多摩うつ病カンファレンスに参加しました ~ 内海健先生のご講演「発達障害事例にみられる気分障害」
2019年9月25日
令和元年9月19日(木)夜に開催された、第9回北多摩うつ病カンファレンスに参加してまいりました。今回は、東京芸術大学保健管理センターの教授を務めておられる内海健先生が「発達障害事例にみられる気分変調」という演題でお話されました。内海先生のご専門は精神病理学で、博学な知識の一端をご披露いただくとともに、まだ比較的新しい発達障害という概念についてもご教授いただきました。
まずは気分障害のお話で、現代における軽症化や病像変化の話題に始まり、内因性のうつ、さらにはうつが単にエネルギーが落ちた状態ではなく、底に興奮も潜んでいることなどについてのおさらいがありました。
次に発達障害についてですが、成人例では自閉症タイプと注意欠陥多動性タイプとの混合が多く、発達歴を確認するのが難しかったりして臨床の場面では診断から戸惑うこともあり得ること、症状として周囲と齟齬を起こしやすく生きづらく、感覚過敏や症状への自覚に乏しいこと、最初思われていたのとは違って女性例も少なからず見受けられること、診断や治療のためには行動観察が大切なこと、などを教えていただきました。
成人例では結婚が大きなリスクになり得、職場では上司の対応で混乱することもあり、実は周囲に援助を自ら求めることをされなくてもそれまでに疲れ果て、食事や睡眠、運動など身体への影響が出ることも多く、かつそのことにご本人では自覚しにくかったりすることがある、とのことです。行動を観察し、援助としても行動のレベルでアドバイスしてあげるのが良いのは、発達障害の方は内省が得意ではない、との特性に基づいています。
発達障害は気分障害との鑑別が難しかったりもいたしますが、周囲の人とのコミュニケーションを苦手とされるため、二次性にうつを呈することも多くなります。それでも、患者様1人1人でその得意、苦手とされるところが異なってもいるため、そのあたりをよく見据えて長所を活かせるように配慮することが有効だ、というお話には非常に納得がいきました。
若い医師時代に発達障害をベテランの先生方によく教わる機会が持てなかったということもあり、臨床場面では試行錯誤の連続であったりするわけですが、改めて、患者様と同じ視線で周囲の状況や困りについて認識し、お手伝いしていく必要性を感じました。
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