線維筋痛症に対する催眠療法
2019年8月14日
線維筋痛症は、慢性的な筋肉の痛みと疲労感を主症状とする病気で、睡眠障害、過敏性腸症候群、さらには不安や抑うつ、集中力や記憶の低下などの精神症状をともない、生活の質が落ちてしまうこともしばしばです。日本では約200万人の患者様がおられると推定され、中年女性に多く、経済的な要因も関与するといわれていますが、近年その数が増えてきています。
上のように心身に大きな支障をきたす病気なのですが、実は末梢神経には異常が認められず、痛みに関与する中枢神経領域の異常な興奮や抑制機能の障害があると想定されています。脳画像からは、大脳灰白質の減少が認められ、脳の発達の問題も示唆されていますが、特に灰白質の減少が顕著な領域として海馬傍回、前帯状回、島、内側前頭皮質が報告されています。これらは、痛覚やそのコントロールについてネットワークを形成しているとされる領域です。近年は、線維筋痛症と幼少期の心理的、身体的、性的虐待、心的外傷後ストレス障害などとの関連についても指摘されるようになってきました。
線維筋痛症はこのように複雑な病態なので、その治療としてもいろいろな介入が考慮され、薬物療法、身体的な運動、心理的治療などが試みられます。心理的治療の中では、認知行動療法やリラクセーション、バイオフィードバックなどが有効で、痛みの強さや抑うつ、睡眠障害の改善などが報告されています。一方、催眠療法は以前から慢性の疼痛に対して効果があるといわれてきましたが、線維筋痛症に対しても痛みや睡眠障害の軽減、生活の質の向上などの効果がメタ分析レベルで認められてきました。典型的にはリラクセーションをベースとして、痛みを体から解離させるために運動を楽しんでいるイメージ、呼吸への集中、痛みから解放された時点への年齢進行、痛みの軽減に対する後催眠暗示、などが多く利用されています。そして他の疾患に対すると同様、自己催眠により患者様が自ら回復していく力を養っていただくのもよく行われることです。
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