国分寺 精神科 心療内科 大学通り武蔵野催眠クリニック メンタルクリニック

条件反射制御法第5回関東研修会に参加しました

条件反射制御法第5回関東研修会に参加しました

2017年12月9日

2017年12月8日に東京で行われた第5回条件反射制御法関東研修会に参加してまいりました。条件反射制御法は、2006年に国立下総精神医療センターの平井愼二先生が薬物依存者の治療のために臨床応用を開始され、その後10年の間に草の根的な研修会を通して日本に広がりつつある治療法です。現在は薬物依存のための治療だけでなく、盗癖、ギャンブル、強迫性障害の強迫行為、心的外傷後ストレス障害のフラッシュバック、衝動性や怒りのコントロールなどに対してもその有効性が報告されてきています。

 

残念ながら仕事のため午後からしか参加できなかったのですが、アルコール・薬物依存、万引きや性犯罪、ギャンブルに対する条件反射制御法の臨床実践のお話、さらには薬物依存者に対する刑法の適応に関するお話がありました。自身は繰り返し拝聴しているのですが、その度に新鮮な感動を覚えます。アルコールや薬物依存、万引きや性犯罪、ギャンブルなどの障害は以前から難治とされているだけでなく、多くの非専門家、精神医学の専門家の方さえ「それが本当に病気なの?」という疑問がぬぐい切れていないと思います。これらの症状が「病気」だと明快に説明できるようになったのは、平井先生がパヴロフの条件反射理論に基づく「第一信号系と第二信号系の摩擦」という概念を提唱されたことによります。つまり、違法薬物を再使用することも万引き、性犯罪もギャンブルも他人に迷惑をかけ、自身を滅ぼすことにつながるわけですが、それを理性で止められないのが病気だ、と言えるようになりました。薬物を使いたい、痴漢行為をしたい、ギャンブルをやめられない、というのはこれらの欲求をおこす第一信号系つまり動物的な脳の働きが非常に強力で、第二信号系という理性的な脳で「そうした行為はしてはいけない」と自身の行動にブレーキをかけようとするものの動物的脳に負けてしまう、というわけです。

 

条件反射制御法が刑罰の対象を医療の対象へと引き戻せる力を持っていることも素晴らしいのですが、それに劣らず魅力的なのは、ベテランの先生方が個々の患者様に対して治療を行う際の姿勢だと思います。条件反射制御法には非常にカッチリしたマニュアルがありますが、発明されて10年ほどの治療には、まだ十分な治療的な経験が積み重なっていないという裏目があり、熟練の先生方でさえ臨床では日々試行錯誤を余儀なくされているようです。一人一人の患者様の症状、状況、知的能力、動機づけの強さなどが異なり、それらを考慮せずに上から治療を施すスタンスでは決して患者様が治療に乗ってくれません。これまでは難治と言われてきた病態でもあり、あまり厳しく言い過ぎてもまずく、同じことを繰り返し伝えながら、ご本人の能力に応じた伝え方を工夫し、動機づけを切らさず、枯らさず、少しずつ暖めて育てていくような関わりというのは、本当に大変だろうと想像します。

 

こうした機会に刺激をいただきながら、かくいう私も治療について日々模索している状態です。

 

 


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