鈴木明子さんの『笑顔が未来をつくる~私のスケート人生』
2019年3月26日
一般にアスリートは強靭な精神を持ち合わせていると思われており、確かにそうなのですが、厳しい競争の場面に日々さらされ、想像に余りあるストレス状況下にあり、メンタル的に調子を崩すことも少なくありません。たとえば、競技人生の没頭するあまりその他の成長課題が棚上げになったり、仕事や勉強との両立が難しかったり、コーチや家族などとの間に葛藤を生じたり、競技に伸び悩んだり、身体的に大きな負荷がかかったり、引退を考慮する時期を迎えたりと、難しい問題に直面することがあります。また女性のアスリートは、利用可能なエネルギーが枯渇したり、無月経や骨粗鬆症を患ったりなど、特有の問題を抱えることもあります。さらに、体重制限があったり、見た目の美しさを重視される競技などでは特に減量の課題が深刻で、摂食障害に至ることもあります。
鈴木明子さんは皆様おなじみの元トップ・アスリートで、フィギュアスケートで2回のオリンピックに出場後にプロに転向され、振付け師としても活躍されています。私も1度だけ新横浜のスケートリンクで拝見したことがあり、明るく、力強く、かわいらしい演技に魅了されたのを覚えています。鈴木さんが一時は摂食障害のために選手生命を危ぶまれたことも、少なからぬ皆さまがご存知かもしれません。
鈴木さんがスケートを始めたのは6歳、競技生活は23年におよび、その間の成績は全日本選手権に13回出場して優勝1回、2回のオリンピックでどちらも8位入賞というすばらしいものです。ご自身は天才肌ではなく努力で選手生活を続けてきたと感じておられますが、たとえば中学時代にアクセル・ジャンプを跳べないとお母様に話したところ、「人の倍練習してみたら?」といわれ、「そうか」と思って実行に移してしまう鈴木さん、「努力の天才」っていうんですかね。それでも23年の間に引退を考えたことも一度ならずあり、その時々でご家族やコーチに励まされ、選手生命がつながったといいます。摂食障害に見舞われたのは17歳の時で、きっかけは勧められたステーキを召し上がったところ身体が受け付けず、腹痛、嘔吐を催し、以後体重が数キロも減ったことでした。フィギュアスケートは細身の方が美しく見えやすいこともあり、「もっとやせられる」と思って極力食事を摂らない生活に入ってしまい、体重は32キロまで落ちたといいます。その際には身体的なしんどさだけでなく、「スケートを諦めなければならないかもしれない」との恐怖もあったと知られますが、その頃の一番の支えはご家族の理解であったと記しておられます。
われわれはどうしても、アスリートの皆様が活躍され、メダルや新記録のような、非常に華やかで誇らしい結果を期待しますよね。ただアスリートご本人たちから「メダル(結果)だけが大切なものではないとわかった」とのお言葉が聞かれることも多々あり、日々アスリートの皆様に励まされているわれわれにも、彼らの苦労、挑戦のプロセス、軌跡を暖かく見守る姿勢が求められるのだろうと思います。
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