国分寺 精神科 心療内科 大学通り武蔵野催眠クリニック メンタルクリニック

それぞれのご夫婦にはそれぞれのご縁があり、皆それぞれに夫婦関係、家庭というものに期待を寄せるものですが、ご夫婦の間の呼吸が合わない状況というのは少なからず起こり得るものです。夫婦関係がうまくいかないと旦那様、奥様ともにストレスが高まり、頭痛、胸の苦しさ、ぼんやりしてしまう、などいろいろな心、体の反応が起こりもします。

夫婦関係がうまく行かない状況が続くと、互いに相手の望ましくない側面ばかりが目に付き、否定的な感情ばかりを抱きがちになります。いいかえれば、悪いところばかりに気持ちが集中してしまっているわけですね。実は、催眠状態の大切な一側面として「注意が集中された状態」と説明されることが多く、その立場からすると、ご夫婦の間で互いの欠点ばかりに注意が向いてしまっている状態というのは「悪しき催眠状態」と言えなくもありません。

実際には完璧な人というのはいないので、夫婦円満の秘訣は、相手を許し、受け入れることができること、と言えそうです。それがある程度うまくやれていると互いのコミュニケーションは温かいものになりますが、その際には2人の脳の間にシンクロが起こり、同時に右の頭頂中心部にα波が多くなり、共感に関与するミラーニューロンの機能の高まりと考えられています。

それでは、どうやって催眠でお手伝いができるのか？と申しますと、ご夫婦がいっしょに来院して戴ける状況であれば一緒に催眠に入っていただいて、共に快い体験をしていただく、というのは良い方法です。催眠状態に入ると注意が集中しますが、高まる注意を否定的なものから肯定的なものに向け変えよう、というわけです。そのやり方にもいろいろあり、イメージを利用して過去の2人にとって良い体験を温め直してもらったり、体感や観念運動といった催眠現象を体験していただきながら、ご夫婦のつながりについての暗示を入れていったりすることもあります。そんなふうにしてご夫婦の間に、互いに緊張させることの少ない肯定的なコミュニケーションが生まれ、共感、相互理解、柔軟性、親密性が深まっていくのを期待していきます。