天才催眠療法家ミルトン・エリクソンの英知 (1) 〜 全ての患者を個性的な存在ととらえる
2017年7月10日
現代は、「エビデンス」ということが非常に重要視される時代です。エビデンスというのは、ある治療法がある疾患に対して治療効果があるとの証拠、科学的な裏付けのことで、統計的な手法を用いて確立されるものです。患者様からすればもちろん、効果があると証明されている方法によって治療してほしいですよね。ただ一方で、エビデンスがあると証明される治療法でもあっても全ての患者様に対して効くということではありません。仮に85%の患者様に効くといわれる治療法であっても、残りの15%の患者様は治せないということです。治療者としても、そうしたデータはよく知っておく必要があります。しかし臨床の経験上は、同じ疾患たとえばパニック障害の患者様でも1人1人困り方は異なっています。つまり、1人1人の患者様に合うように治療の仕方は工夫されなければなりません。ミルトン・エリクソンは、それぞれの患者、家族ごとにとてもユニークな治療を施したことが知られています。
たとえば、エリクソンはおねしょの問題を抱えた子供を何ケースが治療していますが、それぞれに対する関わり方は全く違います。ある子供のケースでは親が子供を叱りつけていましたが、親に叱るのをやめさせ、理想の子供として接するよう指示することから始めて、自然におねしょを消退させています。別の子供のケースでは、おねしょを子供と母が協力して解決していく問題としてそれぞれに課題を与えることで、親子の関係が修正されることを期待しました。さらに別の子供には、おねしょを排尿に関係する筋肉と感覚の協働の問題ととらえ、催眠の中で子供が得意としている運動に関わる話をすることで間接的な暗示としました。このように、エリクソンはおねしょを単純に子供の問題としてとらえたというのではなく、親子関係がうまくいかないことで問題が維持されていると考えたり、回復のてことして子供の特技をうまく利用したりしました。
ここに紹介したのはおねしょの問題ですが、エリクソンはいつもその患者や家族の抱える問題の特殊性、文脈についての見立てをしっかり行い、治療のために利用できるものは何でも利用したと考えられています。
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