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国立精神・神経医療研究センター主催のPTSDの研修に参加しました(1)

国立精神・神経医療研究センター主催のPTSDの研修に参加しました(1)

2021年11月20日

今回は、国立精神・神経医療研究センター主催で令和3年11月19日に開催されたPTSDの基礎研修に参加いたしましたので、何回かに分けてご報告いたします。基礎的な内容が多かったのですが、知識の確認、整理もできて有意義でした。今日は第1講の西大輔先生のお話の要約をお伝えします。

 

そもそもトラウマ的体験というのは、日本人の60%以上が経験しているとのデータが有り、ちょっと驚きますね。ちなみに、医学的にいう狭義の「トラウマ」は、実際に死にそうになったり、重症を負ったり、性的暴力を受けるような出来事を実際に経験すること、あるいは目撃することなどを言いますが、広義には、最近問題になっているような心身に有害な出来事、たとえばニグレクトやいじめを受けるような場合もあてはまります。もっとも、お話をうかがう時には患者様が「学生時代の失恋がトラウマになってて・・・」とかいう、割と日常的に不愉快な出来事をさしてトラウマという言葉を使っていても、いちいちそれを否定したりすることはありませんが。

 

実際に心的外傷後ストレス障害 PTSD と診断するためには、狭義のトラウマの存在が必要になります。ただ、例えば震災のような、同時に多くの人々が同じようなトラウマを体験しても、PTSDを発症する方もおられれば、そうでない方もおられます。そうでない方の中には、うつ病のような他の精神疾患を発症する方もいらっしゃいますが、なんともない方も少なからずおられます。どうしてそうなるのか?ということの答えの一つは、震災という大きなトラウマを体験するまでに、どれくらいの苦しい体験を積み重ねてこられたかが大きく影響している、ということです。たとえば幼少期から繰り返し辛い出来事に曝露されてきたような方の場合は、簡単に言えば心が弱くなっているため、PTSDを起こしやすくなる、ということです。そのため、できるだけ早いうちから逆境になるような体験を防ぐことがPTSDの予防になる、と考えられています。一般にPTSDの危険因子としては、女性であること、教育が十分でないこと、元々精神疾患を持っていることなどトラウマ以前の要因や、トラウマそのものの強度や悲惨さ、さらにはトラウマ後に適切なサポートを受けられるかどうか、などいろいろなものがあります。

 

PTSDの症状の中心は、フラッシュバックや悪夢のように勝手に蘇ってくる侵入症状や、トラウマを避けるためにいつも緊張を高めるような過覚醒症状、トラウマを過度に避けようとする回避行動、などがあります。たださらに、近年は複雑性PTSDという病態(次回に詳しく申し上げます)が診断基準に入れられたこともあり、トラウマ後に感情の調節が困難になったり、対人関係がうまく取れなくなったりする、という症状もしっかり取り上げられるようになりました。

 

PTSDの治療としては、まずは同じようなトラウマが繰り返されないような安全な環境を用意することです。DVD被害者であれば、もうDVに遭わなくてすむ居住空間が必要です。さらに、トラウマ反応は自分でも非常に驚愕的なものですが、それは「非常な体験に対する、生理的で自然な反応」であることを説明し、自分がおかしくなったわけではないことなどを含め、トラウマ体験後に起こりそうなこと、必要なサポートを受けられることなど、必要な情報の提供は大切になります。

 

実際にPTSDの方を援助するスタッフにも、いろいろな立場の方がおられます。トラウマ・インフォームド・ケアといって、トラウマや逆境体験について一般的な知識を持ち、ケースワークなども含めてまずは安全な環境の構築に関わるようなスタッフ、トラウマのことは直接に話題にしなくてもしっかりと心理的な問題に関わるスタッフ、さらにはトラウマ治療に精通し、直接トラウマを話題にして治療に携わるスタッフ、などです。PTSDの治療がうまくいくためには、それらのどのスタッフの力も必要で、医療連携が大切、ということですね。

 

 


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